自己破産とは

自己破産とは債務整理の１つで、一番有名な方法です。
簡単に言うと、背負った借金をゼロにするという、一見夢のようなものです。

しかし、もちろんタダで借金がゼロになる訳ではありません。
そう簡単に借金をゼロにされたら、お金を貸した金融機関の人たちは悲しくなります。

まず家や車など、お金になる財産は全て持っていかれてしまいます。
（生活する上での必要最低限の家財道具等は除外）

ついでに信用情報機関のブラックリストに載ってしまいます。
よって、新たに借金したり、クレジットカードを発行したりできなくなってしまいます。

返済の目途が立たないくらい巨額の借金をゼロにするんです。
これくらいは我慢すべきですね。

その他の債務整理の方法としては、「任意整理」「特定調停」「個人再生」の3種類があります。
しかしながら、自己破産とは違って、この3種類は借金がゼロにはならないのが大きな違いです。
やり方は違えど、借金の金額を見直して返済しよう、というのがこの3つの方法な訳です。

FXが自己破産できないと言われる理由

まず自己破産をはじめとした債務整理は、破産法と呼ばれる法律に則って行われます。
キチンとした法律がある訳ですねぇ。

この破産法という法律に自己破産できない条件が記載されています。
その条件に該当しない人は自己破産できますよ、という事ですね。

この「自己破産できますよ」と許可されることを難しく言うと、「免責を受ける」だとか「免責許可の決定」と言います。
えらい難しい言葉ですね。

重要なポイントは、この破産法に記載されている、ある１つの条件です。
それは、「破産法　第252条第1項第4号」にあります。

破産法　第252条第1項第4号

浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。

浪費は、お金を無駄に使うこと。そして、賭博はもちろんギャンブル。
そしてここでまた出てくる難しい言葉、射幸行為。なんやこれ。

射幸・・・偶然に得られる成功や利益を当てにすること。

「goo辞書」より 

偶然に得られる成功や利益・・・つまり宝くじとかそんなやつのことか！！！
そして、FXもこの射幸行為に当てはまると一般的に考えられているのです。

他にも条件はありますが、FXに関してはこの条件にまず引っかかってしまいます。
これが自己破産できないと言われる理由なんですよね。 

実際、本当に自己破産できないのか

実際に年間どれだけの人が自己破産をしているのか調べてみました。
裁判所の公式サイトにて司法統計が見れるので、そこで検索をかけてチェックやで！

例として平成27年度の資料を見てみましょう。（⇒平成27年度破産既済事件数）

法人・個人（資料内では自然人）あわせて、年間約7万件も自己破産の申し立てをしまくっております。
そのうち、個人は6万4千件。

右の方を見てみましょう。「棄却又は却下」とあります。
こいつです。こいつが免責を受けれず、志半ばに散っていったやつらの数だぜぇぇぇ！

つまり、6万4千件の申し立てのうち、約100件（資料内では113件）だけ免責が受けれなかったので・・・。

100件　／　6万4千件　＝　約0.2％

全体の0.2％が免責を受けれなかったことが分かりました。
ということは、大体の方は自己破産が認められているということです。 

全体数の中でFXが原因の人数は分かりませんが、あれだけ債務者を量産しているFXです。
この全体の申し立ての数の中にも、FXが原因の方も相当な数いらっしゃるはずです。

さて、法律で射幸行為に該当するものは免責を受けられないと決まっているのに、なぜこんなにも免責を受けられているのでしょうか。

「裁量免責」について

破産法　第252条第2項

前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。 

で、でました！
法律的には認められない場合も、色々な事情を考えて「まぁ大目に見てやろう！」ってやつです！！ 

FXをはじめ、賭博行為等でも自己破産できる場合は、この裁量免責が一役買っているという事です。

最後に

FXだから絶対に自己破産できない、ということはないということです。
自己破産を検討されている方は、まずは弁護士に相談してみるのが一番ですね。

自己破産は本当に最終手段です。
できれば財産を失うことなく、その他の債務整理の方法で借金を返済していきたいところです。


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